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冬休みに読みたい! ロングセラー・歴史ものがたり3選

12月は通訳の繁忙期。他にも何やかやと予定が入ってきて忙しいのですが、冬休みになったら読みたいなと思っている本がたくさんあります。今日は書かれてから長い時が経って読んでも面白いロングセラー本のご紹介。

まずはこれ。河口慧海の『チベット旅行記』。明治時代に、知られている限りでは初のチベット入境を果たした日本人です。数年がかりで語学を学び、肉食をせず麦こがしで腹を満たしながらあんな過酷な旅をするとは、昔の人は何と丈夫だったのだろうかと思ったものです。ほぼ鎖国状態のチベットに入国するために身分を偽ったり、かと思えば漢方の心得があったために医者としても評判になり、ダライ・ラマ13世に召喚されるなどまさに波乱万丈で巻を置く能わず、という面白さです。また、イギリスとロシアが中央アジアで覇権を競っていた「グレート・ゲーム」の時代であることもうかがえます。0円から読めます。

次は『物語 スペインの歴史』。副題に「海洋帝国の黄金時代」とあるように、イベリア半島がイスラム化された時代から筆を起こし、「無敵艦隊」の時代を生き生きと描写しています。特にレパントの海戦の記述は秀逸。それにしてもかの『ドン・キ・ホーテ』の作者セルバンテスがレパントの海戦に参加したものの負傷し敵に捕らえられ奴隷として売られ、帰国するまでにさんざんな目にあった、というのは知りませんでした。運命がちょっと狂っていたら、名作『ドン・キ・ホーテ』は生まれていなかったかもしれません。スペイン・ポルトガルからイギリスに覇権が移り、更にアメリカに移り変っていく歴史をたどるときにまずお勧めしたい一冊です。

最後は、数年前にツイッター上で話題になった『ルワンダ中央銀行総裁日記』。1965年、国際通貨基金から請われて日本銀行よりルワンダの中央銀行総裁に出向した日本人の手記です。経済面でアフリカの国づくりに取り組んだ著者の熱気が伝わってきます。理論的な経済書を読むのが苦手な方はこういう物語から読み進めてはいかがでしょうか。

この本については、興味深い書評やツイートがたくさんありますので、リンク等ご紹介しておきます。

人生の岐路で出会う新書/鈴木一人

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