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文脈で学ぶ−−ドラマで学ぶ仮定法

仮定法って、あれです。

「もしAがBでなかったならば、CはDであっただろう」という、「事実に反する、仮定の出来事について語る文」と言われる文法です。

これを、”If+過去形…, someone would…”(もし〜なら、〜だろうに:仮定法過去)”If +過去完了形, someone would have +過去分詞”(もし〜だったら、〜だっただろうに:仮定法過去完了)という文法用語で覚えるのではなく、例文を丸暗記して覚えましょう!とずっと言ってきました。

例えば、スティーブ・ジョブスかの有名なスタンフォード大学卒業式スピーチ

”If I had never dropped in on that single course in college, the Mac would have never had multiple typefaces or proportionally spaced fonts.” 

「もし私が大学であのコースを受講していなかったら、マックには複数書体も字間調整フォントも入っていなかっただろう」

私はジョブスのこのスピーチが大好きでほとんど暗記するほど繰り返し読んでいたので、受講生の方にもよく紹介していたのですが、その後、こういうフォーマルなスピーチでは仮定法の文例が頭に残りませんでした。自分のアンテナに引っかからなかっただけなのかもしれませんが、やはり、「〜だったら、〜だっただろう」というそれこそ仮定の話は、こういう、主に成功者と言われる方が自身を語るスピーチの中には登場しにくいのかもしれません。

しかし、豊富に登場する素材を見つけました。アメリカン・ドラマです。

先日紹介した、“House of Cards”で、ふんだんに使われていました。

例えばこんな感じです。

If I were President, you would be Secretary of Treasury.

(私が大統領なら、君が財務長官だ)*仮定法過去

If I had been President, I wouldn’t have given in so easily.

(私が大統領だったら、そんなに簡単に屈しなかった)*仮定法過去完了

Had I known that, I would have never said a word.

(知っていたら、言わなかったのに)*仮定法過去完了

いずれもシーズン2:第26話より。策謀・欲望・嫉妬・裏切りの渦巻く政治ドラマだからこそ、仮定の話がたくさん出てくるのかもしれません。

文脈は記憶を助けてくれるので、ドラマで文法や熟語を学ぶのはとてもよい方法かもしれませんね。単語帳とにらめっこしながらひたすら暗記、というのも必要な時があるかもしれません。しかし、このドラマなら、例えば副大統領になったフランクが通いつめているリブの店、ということで記事が書かれて店主のフレディが有名になった時、”That (article) put you on the map.“(あの記事で有名になったね)という箇所があるのですが、あの情景を見ているだけで”put someone on the map” (=〜を有名にする)という熟語は一度で頭に入ります。五感をフルに使って、その言葉が使われるコンテキストや感情とともに覚えるようにすると、記憶に残りやすいと実感します。

それから、自分の好きな題材で学ぶ、というのも大事ですね。しばらく前から「シットコム(situation comedy)で英語を学ぼう」という学習法がありました。私もそれで「フレンズ」などを見ていたのですが、余りコメディに心惹かれなかったせいか、長続きしませんでした。しかし、政治ドラマはハマりました。関心があれば、学習は続きやすいな、と身をもって実感しています。

 

 

 

 

 

 

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