通訳スキルを身に着けたい方を含めて英語を色々な方に教える中で、高度なリスニングや同時通訳を行う上で極めて重要な「勘所」とはなにか、とずっと考えています。
個人的な意見ですが、リスニングの時に以下の点に気づき、即座に分析できることが肝要なのではないかと思います。
- 因果関係
何が原因で、何が結果なのかを取り違えないこと。
2. 時系列
二つ以上の物事について述べている時の発生順序。
3. 比較の対象
二つ以上の物事について比較している時、何と何が比べられているのかということ。
4. 複文の構造把握
英語の文で、一番大事な主語と動詞は基本的には一つずつしかないが、何が一番重要な主語と動詞なのか。そして、従属節は主節に対してどういう関係にあるのか。「節」としてのまとまりを構成しているのはどこからどこまでか。
5. 仮定法と助動詞
英語で感情やニュアンスを出すのによく使われる。主語や語尾を変えることでニュアンスを出す日本語との違いに留意。
こういうことを即座にリスニングしながらできるようになるために、
・まず、リスニングを行う
・スクリプトを見てスラッシュ・リーディング/サイト・トランスレーションを行う
・再度リスニングを行う
というアクティビティを授業でよく行っています。今のところ、「複文の構造把握」はこのアプローチがかなり効いているという手応えを感じており、受講生の方からも「スラッシュ・リーディングをしてから聞くと内容がよく分かるようになった」という意見をよく聞いています。
具体例がないとわかりにくいので、本稿は少しずつ補っていく予定です。