何か課題を抱えた時に問題解決を図る方法はいくつもあると思います。
今回はケン・ウィルバーによる「4象限分析」をご紹介します。
ケン・ウィルバーってこんな人です。⇒ケン・ウィルバーのWikipedia サイト
なんだか沢山書いてあって圧倒されますが、かなりざっくり言うと、古今東西の智慧の伝統を整理して、分かりやすい見取り図を作った人ですね。
彼が提唱した枠組みの中で、特に実践に役立つものを1つご紹介します。ここで、AQAL(all quadrants, all lines)として紹介されていますが、all quadrantsの部分を私は「4象限分析」と読んでいます。
インテグラル・ジャパンによるAQAL (all quadrants, all lines)の説明
***
さて、これを英語学習に応用したらどうでしょうか?
1つ例を挙げてみましょう。
ここで注意したいのは、「1つの出来事の中に少なくとも4つの要素がある(あるいは、分析できる)」ということです。4つのばらばらなことがある、というわけではないんですね。
「外面」は目に見えて観察できること(=数値化可能なことが多い)、
「内面」はその人やその集団の心の中にあって、主観的な観察しかできないもの、
とざっくり捉えてみましょう。
これを、「家がうるさくて英語の勉強ができない」という悩みに応用して分析してみると…
こんな感じになるのではないかと思います。
さて、これを改善するにはどうしたらよいでしょうか。改善例を挙げてみましょう。
この分析は余り難しくなくて、すぐに思いつく人が多い例と思いますが、「うるさい環境でも頑張って勉強する」という選択肢もなくはないのですよね。
でも、それが余り有効な選択肢ではないことは、4象限図を書いてみるとよく分かると思います。
一般的に、右下(集団の外面)象限の影響力は大きいです。例えば、会社に新しいシステムが導入されたような場合。システム導入に従って自分の行動(右上象限)も少し変えないといけなくなるでしょうが、非効率だったり不合理だったりするシステムの中でがむしゃらに頑張っても(右上象限)、消耗する(左上象限)ことが多い。
日本人はとかく精神論(すなわち左側象限、特に左上)で物事を処理しようとする傾向があるとよく言われますが、左上象限ばかりでなく、右側象限に働きかけるアプローチを取ってみると今までとは違う解決策を見いだせるかもしれません。
なお、左下象限(文化、価値観、雰囲気)などを変容させるのには時間がかかります。しかし、自分のいる環境(右下象限)を変えると、左下象限は変わることが多いです。
皆さんも問題に出会った時、自分を責めすぎず、色々なツールを使って解決策を見出していただければと思います!