あまりにも有名な、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式式辞。
私はこのスピーチが大好きで、ほとんど暗記するほど繰り返し音読しました。非常に感動的であり、かつ禅に傾倒しミニマルなデザインを好んだジョブズらしさも随所にうかがわれる、素晴らしいスピーチです。
それ以後、これに感化されたと思われるスピーチもたくさん聞きましたが、内容・レトリックともにこのスピーチはやはり群を抜いていると思います。
今日は最初のストーリー、”connecting the dots”について書きたいと思います。
Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.
(筆者訳)
「再度申し上げますが、点と点を前もってつなぐことはできません。点と点をつなぐことができるのは後に振り返った時だけです。なので、”点”が将来何とか繋がるのだと信じるべきです−−自分の直感、運命、生命、カルマ、なんでもいいです。このアプローチで失望したことはないし、それが自分の人生を完全に変えてくれたのです」
割と直訳的に訳しました。
スティーブ・ジョブズのこのスピーチには非常に優れた翻訳がいくつもあります。ITエンジニアの方がまとめられたサイトがあります。
himazuさんによるまとめ:スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ
このスピーチは大学の卒業式でのものなので、これから社会に出ていく若い人にむけたものです。しかし、人生80年の折返し点を過ぎた自分は、「ジョブズが直接的には語らなかったこと」に興味があります。
すなわち、「点と点をつなぐこと」です。「点と点をつなぐ」とはどういうことで、どうしたらできるでしょうか?
「点と点をつなぐ」とは、人生を俯瞰してみて、その意味を紡ぐ、ということではないでしょうか。そして、それを可能にしてくれるのはメタ認知と、人生に対する肯定的な態度なのではないかと思います。
メタ認知能力は生涯に渡って鍛えていけるものだと思います。次の記事がとても参考になります。
メタ認知とは?メタ認知能力の高い人・低い人との特徴とトレーニング方法
この記事で紹介されている「フリーライティング」と「瞑想」は私も定期的に行っています。
若いうちは、勇気をもって行動すること。
そして人生半ば以降に差し掛かったら、今まで来た道を振り返り、それに何らかの意味を見出すこと。
(今までの振り返りをしつつ、いつからでも新たな挑戦をする、というのもよいと思います!)
両方が必要なのではないかと思っています。