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初めての同時通訳(2)ーー同時通訳のための予備練習

英語学習

同時通訳ができるようになるための予備練習をいくつかご紹介しておきます。

(1)字幕を読むーー同時通訳の感覚を味わう

TED Talksには字幕に翻訳があるものがありますので、活用してみましょう。

例えばこちらの動画など。

画面右下の歯車マークから「字幕」を選び、そこから「英語」を選びます。

こんな感じで、英語の字幕が出てきますので、日本語を聞きながら英語の字幕を読んでみましょう。字幕は、同時通訳ではなくあくまで翻訳ですので、原発言でまだ発声されていない部分を先に訳し始めることがあります。でも、「同時通訳ってこんな感じなんだ」と雰囲気を味わっていただくにはぴったりのエクササイズ。そして、耳で聞きながら話すことがどういうことか、その難しさも感じていただけると思います。原稿ありで通訳した時はこんな感じだよ、というのも感じていただけると思います。

(2)ボイスオーバーーー原稿あり同時通訳体験

ボイスオーバーとは、こちらの説明にあるように原音の声を小さな音量で残しながら、翻訳した音声を重ねる手段のこと。

私は、「スラッシュ・リーディングとサイト・トランスレーション」でご紹介しているサイト・トランスレーションを、原音声に合わせて実施することもボイスオーバーと呼んでいます

例えば上記で例題として使ったPBS Newshourの”The challenges of returning to in-person classes in a state spiking with COVID-19”という記事ですが、ウェブサイをスクロールしていくとトランスクリプトがあるので、それを用いてサイト・トランスレーションの練習をします。

ここで上達のコツを一つ。サイト・トランスレーションは必ず声を出して練習しましょう。なぜ声を出すことが大事かというと、

通訳は書き言葉の翻訳とは違い、話し言葉になるので、耳で聞いてわかりやすいかどうかが極めて重要。それを訓練することができる(例えば、日本語は同音異義語が多い言葉なので、混同されにくく分かりやすい言葉を選ぶ必要がある。漢字言葉は適度に交えて使うと文章が引き締まってよいが、分かりやすさとのバランスを取る必要がある)。

自分の声の聞こえ方、テンポのよさなど、訓練初期からデリバリーに気をつけるようになる(デリバリーとは、発声、声の大きさ、滑らかさ、テンポのよさ、アクセントやイントネーションなどに関わる部分。言葉を仕事とする通訳者には非常に重要です。なかなかすぐには上達しないので、訓練初期の段階から気をつけていく必要があります)。

・「頭ではこう言おうと思っていたのだけど、ついうっかりこういう言葉が口をついて出てしまった!」ということはよくあります。それを修正する力を養える(修正力も極めて重要です。実際に自分で試して失敗することによって、「ここは気をつけよう」「ここを間違ったら大変なことになる」という勘も養うことができる

何度も練習して、さらさらサイトラできるようになったら、動画を流しながらサイトラしてみましょう。最初はトランスクリプトを見てで構いません。

ただ、PBS Newshourのスピードはとても速いので、Youtubeに行って速度を調節してみましょう(PBS Newshourのサイトでは、動画のスピードアップはできてもスピードダウンはできません)。

該当の動画/トランスクリプトは、2021年8月11日のものです。

そこで、Youtubeから、”PBS Newshour August 11 2021″ で検索するとfull episodeが出てきます。

Youtubeにはfull episodeとしてまとまってアップロードされているので該当箇所を見つけるのが大変ですが、Youtubeのほうがスピードを落とすことができるので便利です。

歯車マークを押して、「再生速度」から必要に応じスピードを落として試してみてください。最初のうちは、半分くらいのスピードでも構いません。

原音声を聞きながら、何度もすらすらできるように練習できたら、今度はトランスクリプトを見ずにやってみましょう。トランスクリプトなしで原音声のサイトラができるようになったら、同時通訳までもうすぐです。

なお、PBS Newshourではスピードが早すぎる!という方はVOA Learning Englishなどで練習してみるとよいでしょう。トランスクリプトが手に入りやすいので、受講生の方にはPBS NewshourとVOA Learning Englishをよくお勧めしています。

(*授業では、「一人の人が英語を読む間に、別の人がサイトラをする」というアクティビティにして、新聞記事などで実施することもあります。皆さんも、お友達と一緒に学習できる場合は取り入れてみてください)

 

 

 

 

 

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