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リモートワーク時代の通訳(2)

これはどちらかというと「リモートワーク時代の通訳」というよりは、「AIと機械翻訳時代の通訳」という感じではあるのですが…。

コロナの前から、「AIが進化していけば機械翻訳が広まり、音声認識機能と自動翻訳機能、そしてボーカロイドを組み合わせることにより、通訳者はいらなくなるのではないか」と言われていました。

コロナによって、リモートワーク、現地・対面では「ない」形の通訳が広まることによって、その傾向には拍車がかかるだろうと思います。

ただ、現状、遠隔通訳や遠隔会議を経験して思うのは、日本語の音声認識は英語のそれにはまだ何歩か差があるということです。Youtubeで英語の「自動生成字幕」機能を使ってみると、かなり正確です。「COVID-19」が人口に膾炙するようになってから随分経っても正しく表示されないことがあるのはご愛嬌ですが。それに対し、日本語の「自動生成字幕」は、ニュースの場合はまずまずですが、人が自然に会話している場面での音声認識はまだまだのように思います。

また、先般の「第一回アメリカ大統領選テレビ討論」のような、複数の人の声が重なって聞こえるような場面ではまだまだ音声認識機能では対応できないでしょう。あれは、正直、「こういう通訳を担当していなくてよかったな」と思ったほどの大混乱でしたが、NHKは3人の通訳者を使っていて、それぞれ割り振られた話者の話を訳そうと通訳者は奮闘していました。ああいうことは、まだ機械による音声認識機能では無理ではないかな、と思います。

「通訳者」という職業には、まだ少しは猶予がありそうです。しかし、その猶予がいつまで続くのか、全く先が読めません。それほど、最近の世の中の変化は激しく、先行きは不透明です。今、この時期にどういう力を蓄えていくことが今後の生きるすべになるのだろう? と日々自問自答しています。

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